なぜ今、企業サイトでも
アクセシビリティを考えるのか
企業サイトには、さまざまな人が、さまざまな目的で訪れます。
そこで生まれる小さな使いにくさは、企業側には見えないまま、
問い合わせや応募などの機会を遠ざけているかもしれません。
企業サイトは接点であり、
つまずきは静かな離脱になる
自社のWebサイトにどんな人が訪れているか、普段はあまり意識する機会がないかもしれません。
サービスや商品を検討しているお客さま、取引先や協力会社の担当者、就職を考えている学生や転職希望者、地域の方、メディアや行政関係者など、企業サイトにはそれぞれ違った目的を持つ人がアクセスしています。
その中には障害のある方や高齢の方もいますし、スマートフォンだけで閲覧している方、通信環境が安定しない場所にいる方、限られた時間の中で急いで情報を探している方もいます。
企業サイトは、会社を知るための最初の接点になることがあります。そこで情報を見つけられなかったり、フォームを使えなかったりしても、利用者がその理由を企業へ伝えてくれるとは限りません。
採用情報を読みづらく感じて応募をやめる。問い合わせフォームの途中で操作がわからなくなり、そのまま離れる。サービスのページを見つけられず、別の会社を調べ始める。
こうした離脱は、企業側からは理由が見えません。「問い合わせが増えない」「応募につながらない」「ページは見られているのに反応がない」といった結果だけが残ります。
もちろん、その原因がすべてアクセシビリティにあるわけではありません。それでも、読みづらさや見つけにくさ、操作のしにくさによって、本来つながるはずだった人が途中で離れている可能性はあります。
企業には、離脱の理由が届かない。
利用者は、困った理由を伝えないままサイトを離れていきます。
- 採用ページが読みづらく、応募まで進まない
- スマートフォンではフォームを操作しにくい
- 重要な情報が画像だけで掲載され、内容を受け取れない
情報があることと、
情報が届くことは違う
企業サイトには、サービスの説明、会社情報、採用情報、問い合わせ窓口など、さまざまな情報が掲載されています。
ただ、掲載されているだけで役割を果たしているとは限りません。
サービスについて詳しい説明があっても、そのページを見つけにくければ読んでもらえません。問い合わせフォームを用意していても、入力方法やエラーの意味がわかりにくければ、送信まで進めない人が出てきます。
企業が伝えたい情報と、利用者が実際に受け取れる情報との間には、ときどき差があります。
その差を小さくするためには、「この情報を掲載したか」という企業側の視点だけでなく、「この人はここまでたどり着けるか」「内容を理解できるか」「その先の操作を続けられるか」という利用する側の視点も必要になります。
アクセシビリティは、Webサイトにある情報を、実際に利用できるものとして届けることに関わっています。
掲載したかではなく、受け取れたかで見る。
利用する人がそのページへたどり着き、内容を理解し、次の操作へ進める。
そこまで確認して初めて、情報が届いたことになります。
中小企業だからこそ、
見直しやすいことがある
アクセシビリティへの取り組みは、大企業や公共機関だけのものと思われることがあります。
一方、中小企業のWebサイトには、規模が大きくないからこその進めやすさもあります。
ページ数が限られていれば、利用者との接点になっている場所を絞って確認できます。意思決定から実際の修正までの距離が比較的短い会社なら、見つかった課題を改善へつなげやすいこともあります。
サイト全体を一度に見直さなくても、問い合わせ、サービス紹介、採用情報、会社情報など、企業にとって重要なページから始める方法があります。
規模が小さいから十分な対応ができない、と考える必要はありません。対象を整理して優先順位をつけることで、今できるところから改善を進められます。
重要な接点から順番に見る。
サイト全体を一度に変えなくても、利用される場面や企業にとっての重要度から、確認する場所を決めることができます。
法令への対応を、
品質改善につなげる
企業がアクセシビリティを意識するきっかけのひとつに、法律や社会の変化があります。
2024年4月、改正障害者差別解消法が施行され、これまで努力義務だった事業者による合理的配慮の提供が、法的な義務になりました。合理的配慮とは、障害のある方から配慮を求める意思の表明があったときに、過重な負担にならない範囲でその障壁を取り除く対応のことです。
ここで整理しておきたいのは、この改正によってWebサイトを特定の規格に適合させることが義務づけられたわけではない、という点です。「ウェブアクセシビリティが義務化された」という言い方を目にすることもありますが、法律が義務づけたのは合理的配慮の提供であり、規格への準拠そのものを直接求める内容ではありません。
Webサイトの品質基準としては、JIS X 8341-3という日本産業規格があります。公的機関に対しては総務省のガイドラインで適合レベルAAへの準拠が推進されていますが、民間企業に一律の義務があるわけではありません。
つまり、Webサイトを特定の規格に適合させることと、法律上求められる合理的配慮への対応は、分けて考える必要があります。そのうえで、自社サイトとしてどの水準を目指すのかは、サイトの役割や利用する人を踏まえて考えていくことになります。
「基準を満たすこと」だけが目的になると、何のために改善するのかが見えにくくなります。文章を読みやすくする。情報を整理する。フォームを操作しやすくする。目的のページを探しやすくする。これらはアクセシビリティの改善に関わるだけでなく、企業サイトそのものの使いやすさや伝わりやすさにも影響します。
プルーヴェがウェブアクセシビリティを品質基準として捉えているのは、こうした改善がWebサイト全体のあり方と切り離せないものだからです。法令への対応を入口にしたとしても、そこで終わらせる必要はありません。せっかくサイトを見直すのであれば、その機会を情報の伝え方や構造、操作方法まで含めた品質改善につなげることができます。
必要な対応を、サイト全体の品質改善につなげる。
法令上求められる対応と、Webサイトとして目指す水準は同じではありません。
自社サイトの役割や利用する人を踏まえながら、改善する範囲や優先順位を考えていきます。
企業サイトの接点を、
もう一度見直す
企業サイトのアクセシビリティを考える理由は、法律への対応だけではありません。
問い合わせをしたい人が途中で困っていないか。採用情報を探している人が目的のページまで進めているか。初めてサイトを訪れた人にも、会社やサービスの内容が理解できるようになっているか。
こうした接点を見直すことは、企業サイトが本来持っている「情報を伝え、人とつながる」という役割を見直すことでもあります。
自社サイトに問いかけてみる
- 届けたい相手が、必要な情報を利用できているか
- 問い合わせや応募までの途中に、つまずきがないか
- 初めて訪れた人にも、会社やサービスの内容が伝わるか
まずは、今の状況から
ご相談ください。
アクセシビリティ対応が必要になった。
サイトを見直したい。
何から始めればよいかわからないなど、
どんな段階でもお気軽にご相談いただけます。
現状の確認から、必要な対応の整理まで、
一緒に考え、最適な進め方をご提案します。