ウェブアクセシビリティとは
ウェブアクセシビリティは、一部の人だけに向けた特別なものではありません。
Webサイトの情報や機能を、さまざまな人が利用できるようにするための考え方です。
アクセシビリティは
「特別な対応」ではない
「アクセシビリティ」と聞くと、専門的で、少し難しいものに感じるかもしれません。
私たちも初めてこの言葉に向き合ったころは、専門的な知識が必要で、限られた人のために行うものという印象を持っていました。けれど、Webサイトの制作や改善に関わる中で、その捉え方は変わっていきました。
ウェブアクセシビリティでは、視覚や聴覚、身体、認知などに障害のある方が、Webサイトの情報や機能を利用できるようにすることが重要なテーマです。
文字を読む、情報を探す、内容を理解する、リンクやボタンを操作する、フォームから問い合わせる。Webサイトでは多くの人が日常的にこうした操作をしていますが、サイトの作り方によっては、それが難しくなる人もいます。
会社の所在地を調べたいのに、アクセス情報を見つけられない。サービスについて知りたいのに、内容を十分に理解できない。問い合わせをしたくても、フォームの途中から先へ進めない。
こうした状況を減らし、利用する人が必要な情報や機能へアクセスできる状態を整えていくことが、ウェブアクセシビリティの基本にあります。
特別な機能を付け加えるというより、すでにある情報や機能を、必要な人が利用できる状態に整えていく。まずはそのように捉えると、アクセシビリティを身近なものとして考えやすくなります。
足すのではなく、確実にする。
そう捉えると、アクセシビリティは特別な領域の話ではなくなります。
Webサイトの品質を、どこまで見るかという話になります。
「誰でも使える」を、
もう少し具体的に考える
アクセシビリティを説明するとき、「誰でも使えるWebサイト」という表現がよく使われます。考え方を端的に伝えられる一方で、「誰でも」という言葉だけでは具体的な状況を想像しにくいところもあります。
すべての人にまったく同じ体験を提供するということではありません。見ておきたいのは、その人が必要としている情報を受け取り、目的とする操作を行えるかどうかです。
たとえば、病院のWebサイトで診療時間を調べている人がいるとします。診療時間そのものは掲載されていても、見出しがわかりにくかったり、文字が小さかったり、スマートフォンでは目的の場所を探しにくかったりすれば、その情報をうまく利用できないことがあります。
問い合わせフォームでも、入力欄の意味がわからない、エラーが出ても修正する場所がわからない、操作しづらいボタンがある、といったことが途中のつまずきになります。
Webサイトに情報が掲載されていることと、その情報を利用できることは同じではありません。
アクセシビリティを考えるときには、「載せているか」だけでなく、その情報が利用できる形になっているかまで見ていく必要があります。
情報や機能はある。
でも、利用できないことがある。
-
診療時間を探す
情報は掲載されているのに、見出しや導線がわかりにくく見つけられない。
-
フォームでつまずく
入力欄の意味やエラーの内容が伝わらず、先へ進めない。
-
スマートフォンで読みづらい
文字が小さい、表示が崩れる、ボタンを操作しにくい。
アクセシビリティは、
多くの人に関係している
障害のある方がWebサイトを利用できるようにすることは、アクセシビリティを考えるうえで欠かせない視点です。そのために読みやすさや操作方法を整えることは、それ以外のさまざまな状況でも役立つことがあります。
- 高齢の方
- 加齢によって文字が見えにくくなったり、細かな操作が難しくなったりすることがあります。ある人には問題なく読める文字でも、別の人には小さすぎることがあります。
- 一時的に操作しにくい方
- ケガや病気、育児などによって、一時的に片手で操作することもあります。普段なら問題のない操作でも、その状況では負担になる場合があります。
- 利用する環境に制約がある方
- 騒がしい場所では音声だけの情報を聞き取りにくく、強い日差しの下では画面の内容を確認しづらくなることがあります。移動しながらスマートフォンを使っているときには、複雑な操作が難しいこともあるでしょう。
- 情報を理解することに負荷がかかる方
- 情報量が多かったり、ページの構成が複雑だったりすると、内容を把握するまでに時間がかかります。急いでいるときや疲れているとき、初めてその内容に触れるときにも同じようなことは起こります。
利用する人の状態や環境は、一定ではない。
さまざまな利用のされ方を想定しておくことで、
特定の条件によって生まれる使いにくさを減らすことができます。
Webサイトの品質として
考える
ここまで見てきたように、アクセシビリティは、特定の機能だけに関係するものではありません。文章や画像の伝え方、ページの構成、リンクやボタンの作り方、フォームの操作方法など、Webサイトを構成するさまざまな部分に関わっています。
プルーヴェでは、アクセシビリティを制作後に追加する対応ではなく、Webサイトを設計するときの品質基準のひとつとして捉えています。
情報の意味が正しく伝わること、必要な操作ができること、文章が読みやすいこと、目的の場所を見つけやすいこと。いずれもアクセシビリティに関係すると同時に、Webサイトが役割を果たすために必要な要素です。
私たちが目指しているのは、アクセシビリティだけを専門領域として切り離すことではありません。Webサイトをつくり、直し、運用していく一連の仕事の中に、その考え方を品質の基準として組み込んでいきたいと考えています。
アクセシビリティを品質として見るための4つの視点
- 伝わる情報の意味を
受け取れる - 操作できるリンクやボタン、
フォームを利用できる - 読みやすい文字や情報の
構成を理解しやすい - 見つけやすい目的の情報や
機能へ進みやすい
誰に、何を、
どう届けるかを考える。
ウェブアクセシビリティというと、基準や技術の話から考えなければならないように感じるかもしれません。
けれど、ここまで見てきたように、アクセシビリティは特別な機能を追加することだけを意味するものではありません。情報を受け取れるか、内容を理解できるか、必要な操作ができるか。それは高齢の方にも、一時的に片手で操作している人にも、急いで情報を探している人にも関わります。そして企業サイトにとっては、伝えたいことが伝わるかどうかの問題でもあります。
このWebサイトは誰に向けたものなのか。何を伝えたいのか。その人は情報を受け取り、必要な行動を行える状態になっているか。
そうした視点で見直してみると、これまで気づかなかったWebサイトの課題が見えてくることがあります。
アクセシビリティは、Webサイトをより多くの人が利用できる状態に整え、その役割をきちんと果たしていくための品質の土台です。
基準や技術の前に、確認できることがある。
三つの問いに答えられるかどうかで、見えてくるものが変わります。
まだ答えが定まっていないなら、そこが最初の見直し点です。
アクセシビリティを品質基準に。
Webサイトをつくるときも
直すときも、運用するときも。
その考え方を、日々のWeb制作の中に
取り入れていきます。
まずは、今の状況から
ご相談ください。
アクセシビリティ対応が必要になった。
サイトを見直したい。
何から始めればよいかわからないなど、
どんな段階でもお気軽にご相談いただけます。
現状の確認から、必要な対応の整理まで、
一緒に考え、最適な進め方をご提案します。