SCR26:動的なコンテンツを、Document Object Modelの、そのトリガーとなる要素の直後に挿入する
出典:WAIC. “
SCR26: 動的なコンテンツを、Document Object Model の、そのトリガーとなる要素の直後に挿入する
” WCAG 2.0 達成方法集(参照2024年7月1日)
概要
SCR26は、Webページのアクセシビリティを高めるための技術的な実装方法の一つです。この技法の主な目的は、動的なコンテンツをユーザーの操作によって引き起こされる要素(トリガー)の直後にDocument Object Model(DOM)に挿入することです。これにより、タブ順序とスクリーンリーダーの読み上げ順序が自然で直感的になり、ユーザーが予想する動作と一致するようにします。
このページでは、ウェブサイト制作でよく直面する課題に対して、基本的で取り組みやすい方法を紹介しています。
ただし、他にも対処すべき状況や多くの手段があり、具体的な状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
適用(対象)
こちらは、次の達成基準に関連する達成方法です。
実践的な方法
トリガーの特定
トリガーとなる要素を特定し、その要素がフォーカス可能であることを確認します(通常はリンクやボタン)。
イベントハンドラーの設定
トリガー要素のonclickイベントに対して、新しいコンテンツをDOMに挿入するスクリプトを設定します。
動的コンテンツの挿入
トリガーとなる要素の直後に新しいコンテンツをDOMに挿入します。これにより、タブキーでのナビゲーションやスクリーンリーダーによるナビゲーションが自然に続くようになります。
まとめ
SCR26は、動的コンテンツのアクセシビリティを向上させるための有効な手段です。この方法を用いることで、ユーザーは新しいコンテンツがDOMのどの位置に挿入されたかを容易に追跡でき、タブ順序や読み上げ順序が自然な流れを保つことができます。非同期のコンテンツ更新を行う際にも、SCR26は有効ですが、追加の技術(例えば、ARIAを用いた状態の通知)を組み合わせることで、より一層のアクセシビリティが確保されます。この達成方法は、Webページがダイナミックに更新される現代のWeb開発において、不可欠な技術の一つと言えるでしょう。
WCAG 2.0とその翻訳文書の利用について
本ページの内容は、「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0」、「WCAG 2.0 解説書
」および「WCAG 2.0 達成方法集
」からの引用を含んでいます。引用された内容は、W3CおよびWAICによって公開されており、以下のクリエイティブ・コモンズライセンスに基づいて使用されています。これらのガイドラインを参考にしつつ、ウェブアクセシビリティの向上に向けた具体的な取り組みを分かりやすく説明しています。
WCAG 2.0
この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンスの下に提供されています。
WCAG 2.0 解説書及び達成方法集
この作品はWCAG 2.0 解説書及び達成方法集からの引用を含みます。翻訳はWAICによって提供されており、文書のステータスは「勧告」です。なお、この文書の正式版はあくまでW3Cのサイト内にある英語版であることにご注意ください。