Focus Visible2.4.7 フォーカスの可視化(レベルAA)
キーボード操作が可能なあらゆるユーザインタフェースには、フォーカスインジケータが見える操作モードがある。
出典:WAIC. “
達成基準 2.4.7 を理解する
” WCAG 2.0 解説書(参照2024年6月1日)
概要
キーボードナビゲーションを利用するユーザーが現在のフォーカス位置を見失わないように、フォーカスのある要素が明確に強調されることを求めています。これにより、視覚的にフォーカスの位置が分かりやすくなるため、ユーザーはスムーズにコンテンツを操作できます。
このページでは、ウェブサイト制作でよく直面する課題に対して、基本的で取り組みやすい方法を紹介しています。
ただし、他にも対処すべき状況や多くの手段があり、具体的な状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
課題に対する実践的な方法
ユーザエージェントによるフォーカス強調
ユーザエージェント(ブラウザなど)は、デフォルトでフォーカスを受け取った要素を視覚的に強調します。例えば、HTMLのaタグはフォーカスを受け取るとデフォルトで青色のアウトラインが表示されます。このデフォルトの機能を活用することで、追加のコーディングなしにフォーカスの可視化を実現できます。
G149:フォーカスを受け取るときに、ユーザエージェントによって強調されるユーザインタフェース コンポーネントを使用するCSSを使用したフォーカスの強調
CSSを使用して、フォーカスを受け取ったユーザインタフェースコンポーネントの外観をカスタマイズします。CSSの:focus擬似クラスを使用して、フォーカス時のボーダーや背景色、テキストの色などを変更することができます。
:focus {
outline: 2px solid blue;
}
C15:ユーザインタフェースコンポーネントがフォーカスを受けとったときの提示を変更するために、CSS を使用する
プラットフォームデフォルトのフォーカスインジケータの使用
プラットフォームやブラウザが提供するデフォルトのフォーカスインジケータをそのまま使用します。視認性が高く、ユーザーが慣れ親しんだフォーカスインジケータを使用することで、ユーザー体験を向上させます。
G165:視認性の高いデフォルトのフォーカスインジケータが引き継がれるように、プラットフォームデフォルトのフォーカスインジケータを使用する高視認性フォーカスインジケータの提供
コンテンツ制作者が独自に視認性に優れたフォーカスインジケータを提供します。例えば、フォーカス時に要素の背景色やボーダーの色を変更し、ユーザーが現在のフォーカス位置を明確に確認できるようにします。
G195:コンテンツ制作者が提供する視認性に優れたフォーカスインジケータを使用するスクリプトによるフォーカスインジケータの協調
JavaScript を使用して、フォーカスのある要素の背景色やボーダーを動的に変更することで、フォーカスの視認性を高めます。例えば、次のようなスクリプトを使用して、フォーカスのある要素にスタイルを適用できます。
document.addEventListener('focus', function(event) {
event.target.style.backgroundColor = 'yellow';
}, true);
SCR31:フォーカスのある要素の背景色又はボーダーを変更するために、スクリプトを使用する
まとめ
達成基準 2.4.7 は、キーボードナビゲーションを利用するユーザーが現在のフォーカス位置を明確に把握できるようにすることを目的としています。実践的な方法として、ユーザインタフェースコンポーネントがフォーカスを受け取ったときに強調表示されるようにすることが重要です。CSS やスクリプトを用いたカスタマイズや、デフォルトのフォーカスインジケータの活用など、さまざまな方法を組み合わせて対応することが推奨されます。
WCAG 2.0とその翻訳文書の利用について
本ページの内容は、「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0」、「WCAG 2.0 解説書
」および「WCAG 2.0 達成方法集
」からの引用を含んでいます。引用された内容は、W3CおよびWAICによって公開されており、以下のクリエイティブ・コモンズライセンスに基づいて使用されています。これらのガイドラインを参考にしつつ、ウェブアクセシビリティの向上に向けた具体的な取り組みを分かりやすく説明しています。
WCAG 2.0
この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンスの下に提供されています。
WCAG 2.0 解説書及び達成方法集
この作品はWCAG 2.0 解説書及び達成方法集からの引用を含みます。翻訳はWAICによって提供されており、文書のステータスは「勧告」です。なお、この文書の正式版はあくまでW3Cのサイト内にある英語版であることにご注意ください。