Timing Adjustable2.2.1 タイミング調整可能(レベルA)
コンテンツに制限時間を設定する場合は、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている。
- 解除
- 制限時間があるコンテンツを利用する前に、利用者がその制限時間を解除することができる。又は、
- 調整
- 制限時間があるコンテンツを利用する前に、利用者が少なくともデフォルト設定の10倍を超える、大幅な制限時間の調整をすることができる。又は、
- 延長
- 時間切れになる前に利用者に警告し、かつ少なくとも20秒間の猶予をもって、例えば「スペースキーを押す」などの簡単な操作により、利用者が制限時間を少なくとも10倍以上延長することができる。又は、
- リアルタイムの例外
- リアルタイムのイベント (例えば、オークション) において制限時間が必須の要素で、その制限時間に代わる手段が存在しない。又は、
- 必要不可欠な例外
- 制限時間が必要不可欠なもので、制限時間を延長することがコンテンツの動作を無効にすることになる。又は、
- 20時間の例外
- 制限時間が20時間よりも長い。
出典:WAIC. “
達成基準 2.2.1 を理解する
” WCAG 2.0 解説書(参照2024年6月1日)
概要
ユーザーがコンテンツを利用する際に適切な時間を確保できるようにすることを目的としています。この基準は、ユーザーが自分のペースでコンテンツを閲覧したり操作したりできるようにするために、タイミングを調整する機能を提供することを求めています。
このページでは、ウェブサイト制作でよく直面する課題に対して、基本的で取り組みやすい方法を紹介しています。
ただし、他にも対処すべき状況や多くの手段があり、具体的な状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
課題に対する実践的な方法
時間制限を無効にするオプションの提供
ユーザーが必要に応じて時間制限を無効にできるようにする設定を提供します。これにより、視覚障害や運動障害を持つユーザーがコンテンツを利用する際に十分な時間を確保できます。
制限時間の延長オプションの提供
制限時間が設定されている場合、ユーザーが延長を選択できるようにします。例えば、フォームの入力時間を延長するボタンを設置するなど。
警告の表示
制限時間が迫っている場合、ユーザーに警告を表示して、時間が延長できることを通知します。
合理的な制限時間の設定
制限時間が不可避な場合、ユーザーがタスクを完了するのに十分な合理的な時間を設定します。例えば、オンライン試験などでは、ユーザーの状況に応じて追加の時間を提供することが考えられます。
自動的な動作の回避
自動的に動作するコンテンツ(スライドショーや動画など)は、ユーザーが再生を制御できるようにします。自動的に進行するコンテンツは、ユーザーが操作を完全に把握できるようにすることが重要です。
まとめ
達成基準 2.2.1 は、ユーザーが自身のペースでコンテンツを利用できるようにするために、タイミングを調整する機能を提供することを求めています。これにより、視覚障害、運動障害、その他の障害を持つユーザーも含め、すべてのユーザーが平等に情報にアクセスし、コンテンツを利用できるようになります。時間制限の設定や自動的な動作の回避など、実践的な方法を取り入れることで、ユーザー体験を向上させることができます。
WCAG 2.0とその翻訳文書の利用について
本ページの内容は、「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0」、「WCAG 2.0 解説書
」および「WCAG 2.0 達成方法集
」からの引用を含んでいます。引用された内容は、W3CおよびWAICによって公開されており、以下のクリエイティブ・コモンズライセンスに基づいて使用されています。これらのガイドラインを参考にしつつ、ウェブアクセシビリティの向上に向けた具体的な取り組みを分かりやすく説明しています。
WCAG 2.0
この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンスの下に提供されています。
WCAG 2.0 解説書及び達成方法集
この作品はWCAG 2.0 解説書及び達成方法集からの引用を含みます。翻訳はWAICによって提供されており、文書のステータスは「勧告」です。なお、この文書の正式版はあくまでW3Cのサイト内にある英語版であることにご注意ください。