Info and Relationships1.3.1 情報及び関係性(レベルA)
何らかの形で提示されている情報、構造、及び関係性は、プログラムによる解釈が可能である、又はテキストで提供されている。
出典:WAIC. “
達成基準 1.3.1 を理解する
” WCAG 2.0 解説書(参照2024年6月1日)
概要
ウェブページのすべての構造が正しく記述されていることを求めています。これにより、見出し、リスト、表、フォームなどのコンテンツの意味や関係性が、視覚障害者やその他の障害を持つユーザーに対しても正しく伝わるようにし、スクリーンリーダーなどの補助技術でも正確に理解できるようにすることを目的としています。
このページでは、ウェブサイト制作でよく直面する課題に対して、基本的で取り組みやすい方法を紹介しています。
ただし、他にも対処すべき状況や多くの手段があり、具体的な状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
課題に対する実践的な方法
見出し適切な使用
見出しが適切に使用されていないと、ページの内容や構造を理解しにくくなります。
例: ページ内のセクションが適切な見出しタグ(<h1>
から<h6>
)でマークアップされていないと、スクリーンリーダーが正しくセクションの構造を伝えることができません。
リストの適切なマークアップ
リストが正しくマークアップされていないと、項目が正確に読み上げられません。
例: 順序付きリスト(<ol>
)や順序なしリスト(<ul>
)が使用されていない場合、リストの項目がただのテキストとして認識され、リストの構造が伝わりません。
表の適切な構造化
表が正しく構造化されていない場合、内容を適切に理解することが難しくなります。
例: 表の見出しセルに<th>
タグが使用されておらず、データセルがどの見出しに対応しているのかが不明瞭になります。
関連したリンクをグループ化
グローバルメニューをnav要素を使ってグルーピングすることで、スクリーンリーダーがこれをナビゲーション領域として認識できます。またnav要素がページに複数回使用されている場合には、aria-label属性を使用してメニューの内容を明確に示します。
<header>
<nav aria-label="グローバルメニュー">
<ul>
<li><a href="#home">ホーム</a></li>
<li><a href="#about">会社情報</a></li>
<li><a href="#contact">お問い合わせ</a></li>
</ul>
</nav>
</header>
パンくずリストに現在位置を記載
パンくずリストに現在位置を示すためにaria-current属性を使用し、ユーザーが自分の位置を理解しやすくします。
<nav aria-label="現在位置">
<ol>
<li><a href="#home">ホーム</a></li>
<li><a href="#about">会社情報</a></li>
<li aria-current="page">サービス</li>
</ol>
</nav>
フォーム要素のラベル付け
フォーム要素にlabel要素を使用して、入力フィールドと関連付けることで、視覚障害者にも内容を明確に伝えます。
<label for="name">名前:</label>
<input type="text" id="name" name="name">
まとめ
ウェブページの構造が適切にマークアップされ、ARIAランドマークやrole属性を使用して情報の意味や関係性が正しく伝わるようにすることを求めています。これにより、視覚障害者やその他の障害を持つユーザーがスクリーンリーダーなどの補助技術を使用してもウェブコンテンツを正確に理解できるようになります。
WCAG 2.0とその翻訳文書の利用について
本ページの内容は、「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0」、「WCAG 2.0 解説書
」および「WCAG 2.0 達成方法集
」からの引用を含んでいます。引用された内容は、W3CおよびWAICによって公開されており、以下のクリエイティブ・コモンズライセンスに基づいて使用されています。これらのガイドラインを参考にしつつ、ウェブアクセシビリティの向上に向けた具体的な取り組みを分かりやすく説明しています。
WCAG 2.0
この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンスの下に提供されています。
WCAG 2.0 解説書及び達成方法集
この作品はWCAG 2.0 解説書及び達成方法集からの引用を含みます。翻訳はWAICによって提供されており、文書のステータスは「勧告」です。なお、この文書の正式版はあくまでW3Cのサイト内にある英語版であることにご注意ください。