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Vol.4

あとからじゃなくて最初からちゃんと考えたい

届くように設計するということ

「アクセシビリティは大切」と、よく言われます。
私もそう思っていました。
でも正直なところ、最初は「どこまでやればいいの?」「それって本当に意味あるの?」と、戸惑っていた時期もありました。

誰にとって、どんな価値があるのか。
見た目には目立たないし、すぐに効果が出るわけでもない。
そんなふうに思っていたからです。

それでも少しずつ、いろいろな人の声に触れて、見えないところに気づくということの意味を、実感するようになってきました。

見えない価値に向き合うということ

たとえば、フォームのラベルやボタンのコントラスト、スクリーンリーダー対応、キーボード操作のサポートなど。

こういった要素は、普段はあまり意識されないかもしれません。
でも、誰かにとっては、そこが使える・使えないの分かれ目になります。

私自身も、制作の現場で少しずつ気づいていきました。
最初は「指摘されたから直す」だったものが、いつの間にか「最初から配慮しておこう」に変わっていたんです。

その変化は、小さなきっかけの積み重ねでした。
一つひとつ、誰かの使いにくさに触れるたびに、「次は最初から考えてみよう」と思うようになったんです。

あとから直すのではなく最初から届くように設計する

アクセシビリティは、よく対応するという言い方をされます。
でも私たちは、それをあとから整える作業としてではなく、最初から届くように設計することと捉えています。

たとえば、読み上げ順が自然になるようにマークアップを工夫したり、色に頼らず伝えるためのラベルや補足を入れたり。

見た目のデザインだけじゃなくて、どうすれば伝わるかを、構造から考えることが、私たちのアクセシビリティです。

大げさなことではありません。
でも、そういう配慮が構造の中に組み込まれていることが、結果として誰にとっても自然で使いやすいものにつながっていくのだと思っています。

小さな会社だからこそできることがある

私たちは、大きなチームではありません。
けれども、だからこそ、目の前のひとつひとつの案件に、丁寧に向き合うことができます。

  • クライアントと直接話しながら、一緒にどう伝えるかを考える
  • 制作のはじめから、アクセシビリティを前提に設計する
  • チェックリストをこなすのではなく、誰に届くか?を想像して手を動かす

それが、私たちプルーヴェのやり方です。

予算やリソースが限られていても、最初から考えておくことで、届く設計はちゃんとできる。
私たちは、日々の制作の中でそれを実感しています。

届くかどうかを最初に考える

「アクセシビリティの取り組みって、誰かのためのものだ」と思っていたけれど、今は、その視点を持っているかどうかが、そのまま会社の姿勢として伝わる時代なんだと思います。

ちゃんと考えている。
誰かの見えない困りごとに気づこうとしている。

そういう姿勢は、きっと読み手や使い手にも伝わって、「ここなら安心できそう」と思ってもらえる信頼につながる。

私たちは、目立つことよりも、ちゃんと届くことを大切にしたい。
そしてそれを、あとからではなく、最初から考えられる会社でありたいと思っています。

届くように考えているというあたりまえのことを

アクセシビリティは、できているかどうかを証明するためのものではありません。
届くように考えているかどうかを、設計の中に込めていく姿勢だと思っています。

私たちは、見えないところに宿る気づきを大切にしながら、最初から届く設計をごく自然なこととして、積み重ねていきたい。

それが、私たちプルーヴェが大切にしているアクセシビリティです。

あとがき

「アクセシビリティって、誰か特別な人のためのものだと思っていた」
そんな自分の気づきから始まった第一回。
今回のコラムは、その続きとして、「じゃあ、どうすればちゃんと届くのか?」を考えた結果の一つの答えかもしれません。

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